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2009年09月07日

6月議会報告・市民病院について (後編)

・第2回定例会 2009年度6月補正予算
6月2日より6月23日までの22日間にわたり、町田市議会第2回定例会が開催されました。第2回定例会では、議案32件、請願4件の審議を行い、23日の本会議最終日には、市長提出議案28件を可決・同意・承認いたしました。
 6月補正予算の補正額は、歳入、歳出それぞれ2億7,205万5千円を増額し、補正後の一般会計予算額は、1,217億7,188万3千円となり、特別会計も含めた総額では、2,192億1,080万4千円となりました。また、可決された条例の主なものとして、町田市景観条例、10月1日施行の町田市あきかん・吸い殻等の散乱防止に関する条例の一部改正(10月1日より指定区域での路上喫煙が課金の対象となります。)などがあります。

・6月議会一般質問
6月議会一般質問では、
①保健所政令市移行について
②新庁舎建設用地の安全管理について
③町田市民病院について
以上の3項目についての質問を行いました。
①保健所政令市移行については、これまでも継続的に行っている質問ですが、約半年ぶりの質問となりましたので、その間の移行準備の進捗状況、また東京都との協議の進捗状況を確認するものです。答弁では、現時点ではまだ具体的にていじできるものはなく8月頃に文書で移行事務等を示したもの発表できるとのことです。この発表を待ち、再度、町田市と議論をする機会をつくりたいと思います。また、7月14日からの会派視察において四日市市の保健所も視察に行ってきたので、こちらの事例も含め議論を進めていければと考えています。
② 新庁舎建設用地の安全管理についてですが、この質問を行う契機となったのが、この用地内での市民と観光バスとの接触事故でした。現在、この新庁舎建設用地は、土地は町田市、管理はまちづくり公社、そこに毎日観光バスが出入りするという形になっており、数団体が関わりをもっています。そのような事情も踏まえ、安全管理責任の所在が曖昧にならないためにも、また、今後二度と事故が起きることのないように再発防止策の徹底と確認のための質問となりました。答弁では、今後二度とこのような事故が起こらないよう再発防止策の徹底に努めていくとの町田市の答弁がありました。

③町田市民病院についてです。
市民病院についての質問は、この間連続して質問を行ってまいりました。今回の報告では、6月議会での質問と合わせ前回、3月議会報告で皆さまにお配りをした「前編」からの続きである「後編」部分も含めながらの報告をしたいと思います。
今6月議会からは、新たに病院事業のトップとして新設された病院事業管理者も本会議への出席をするため、病院事業管理者本人に病院事業を運営するにあたっての基本的な考え方を確認させていただきました。
答弁で示された病院事業管理者の基本的な考え方は大きく3本。
1つめは、医療の質を高め安定的な経営をはかっていく。公益の観点から無駄を省き効率的な運営。それを実行するための機動的な組織の形成。次に中期経営計画を広く市民に周知してもらい市民との情報共有をはかり積極的に市民の意見を取り入れていく。最後に収益の確保とコストの削減及び繰入金の適正化とのことです。

考え方については、否定するものではないが、今後、この考え方に則ってどう実行に移していくかが、まさに新たに新設された病院事業管理者の手腕の見せ所ではないでしょうか。

・病院に対し何を求め、何を無駄と感じているのか。
  病院事業管理者の答弁の中に、無駄を省くという言葉があったが、市民は何を無駄と感じているかを適切に捉える必要がある。市民にとって公に限らず“無駄を省くという”言葉自体に悪いイメージを持つ人は少ないと思う。しかし、採算性、コストを気にするあまりに医療の質が低下してしまうのでは、本末転倒である。
 病院事業において、高度医療になればなるほど、コストがかかり経費が掛かってしまうのは言うまでもない。経営的な観点からすればまさに不採算の部分である。しかし、医療の場合、その不採算部門を無駄とはいわない。病院管理者が今後、病院運営をするうえで何を無駄と判断し、何を無駄でないと判断するかは、私も含め市民の皆さんもしっかりと注視するひつようがある。また、病院側は、市民にとって、また、町田市という近隣医療環境も含めた地域特性をしっかりと把握し、町田市民病院においての無駄とは何を意味するのかをしっかりと議論し把握していく必要がある。

・収支を黒字に転換することが本当の自治体病院の経営なのか。
本年、示された町田市民病院・中期経営計画の参考資料の中では、2016年度に黒字に転換がなされていく計画である。ここで一つ注目をしたいのは、町田市からの繰入金は13億5千万円の一律の繰り入れになっているということ。
これが何を意味するのか。

・町田市からの繰入金とは?
  現在、町田市では、病院事業会計と町田市の一般会計は別の会計となっております。解りやすく言えば、別のお財布ということです。
しかんしながら、町田市民病院は町田市が運営をする公的な病院です。ですから、法で定められた範囲内で市の一般会計から病院事業会計へお金を繰り入れることが出来ます。
その金額が平成16年度以降13億5千万円の一律の繰り入れとなって入れる。

・繰り入れの詳細は?
市から病院事業会計へ繰り入れる金額については、地方公営企業法17条の2及び地方公営企業法施行令第8条の5を根拠法令に繰り入れがなされています。また詳細の規定については、総務省自治財政局長通知にもとづき算出されていきます。
公営企業法17条の2には以下の規定があります。
①その性質上、企業の経営に伴う収入をもって充てることができない経費
②企業の性質上能率的な経営を行ってもなおその経営にと伴う収入をもって充てることが客観的に困難であると認められる経費
(①、②については、以下通称①→1号経費、②→2号経費)
もう少し解りやすくいいますと、1号経費については、法の定めにより市から病院会計に繰り入れを行わなければならない経費です。
具体的には、救急医療、保健衛生行政、へき地医療、看護師養成所の運営に掛かる会費です。
次に2号経費についてですが、この経費については、市から病院事業会計に繰り入れることができる経費です。1号のように義務ではありません。しかし、その詳細をみますと義務ではないからこそ、その自治体の首長の考え方がダイレクトに数字に表れてくると私は考えています。
具体的には、リハビリテーション医療、小児医療、高度・特殊医療(未熟児・心障歯科・入院助産・精神病院・理学療法・HIV・病理解剖)、企業利子支払、医師等研究研修・追加費用負担などがあげられます。
これらは、毎年、基準財政需要額の算出にあたり計算され、その満額が設定をされている。1号経費については、その満額が病院事業会計に繰り入れされ、2号経費については、その満額を超えない範囲で繰り入れることができるということである。

・町田市における繰り入れ実績と繰り入れ基準額は以下の通りです。

・表を見ての通り、平成14年度までは、満額の繰り入れがされていた。
ここで表の繰入金合計(A)の欄と下から2行目、合計(B)の欄を見ていただきたいとおもいます。
合計(B)に書かれた数字が基準額の満額の数字です。平成14年度までは、基準額の満額が市から病院事業会計へ繰り入れされていますが、平成15年度以降は満額に対し1億5千951万3千円の不足、平成16年度以降は市からの繰り入れが、基準額に関わらず13億5千万円の一律繰り入れとなっている。この繰入額は現在の市政においても踏襲されています。

・町田市の繰り入れの詳細13億5千万―4条部分 残りを3条へ
平成16年度以降の繰り入れ額、13億5千万円の内訳は表の通りですが、表の下から6行目、資本的経費(4条)計の欄にご注目を頂きたい。町田市では、繰入金13億5千万円から資本的経費を差し引いた残額を先ほど述べた1号経費と2号経費の繰り入れに充てている形になっている。
※13億5千万円 - 資本的経費(4条)計 = 1号経費+2号経費 

  平成20年度からは、資本的繰入が0円になることも指摘をしなければならない。公営企業法では、病院の設立にあたっての建設費用や医療機器設備の費用、その後に新規に導入する医療機器の購入や設備改善については、この事業債の元利償還費(返済金)は原則として2分の1を市の一般会計が負担をするとなっている。
町田市民病院・中期経営計画の参考資料を見ても、資本的繰入については、平成20年度以降ゼロ予算である。

・もっと問題なのは3条部分の繰入
ここでもう一つ、指摘しなければならないことは、平成20年度から2号経費についての繰入が基準額満額の100%に満たない繰入となっているということである。
先ほども述べたように、1号経費については、繰り入れなければならない経費なので満額の繰入がなされるが、平成20年度からは小児医療や高度特殊医療を含む2号経費の満額基準額が100%の繰入がされていない。不安に思う点は以下2点。
①不足額はどの部分を削るのか
②また、どこをどれだけ削るのか誰が判断をするのか
答弁では、不足額については、病院事業の内部留保金を充てて対応するということだが、そのしわ寄せが医療に質の低下に繋がらないのかをきちんと確かめる必要がある。

・最後に経営会議でいう、1床あたりの繰入額を200万にするとそのしわ寄せはどこにいくのか?

また、2008年2月21日開催の町田市経営会議の議事録をみると、病院改革の目的を「持続可能な自立した病院経営」と位置づけ、改革の目標を「収支改善により、1床当たりの繰入額を多摩地区最少額にもっといく」とあります。
ちなみに現在の市民病院の繰入額は、1床あたり約300万円です。また議事録の中では、最初のステップとして1床あたりの繰入額を200万円を目標にしていくとのこと。
額にして4億5千800万円。
平成20年度から2号経費部分についても100%割れに至っている状況であるのにも関わらず、更に約4億5千万円の減額をでは、どの部分からどれだけ削るのか。
また、内部留保金はもつのか?という不安も浮上いたします。
このしわ寄せが本当に医療の質の低下に繋がらないのか。町田市も市民病院もきちんと市民へ説明をするひつようがある。
また、経営形態の変更もそうだが、市長が町田市において医療を維持する強い意気込みを見せるのであれば、必ず繰入金の額に現れてくるはずである。
全部適用以降の明確な理由も見当たらないが、全部適用に移行し、約180億円の負債を抱える中、独立採算性の色合いが強い全部適用に移行し、なおかつ繰入金の減額の話しまでが浮上している。このことが本当に町田市民病院を支えるということになるのか疑問だけがのこる。
是非、市民の皆さんもともに考えてほしいと思います。

※チラシからのデータを転用しているため図の挿入がされてません。
  予めご了承ください。

投稿者 康太郎 : 12:42